(3月6日追記)
「新 仮面ライダーSPIRITS ロンリ-仮面ライダー編(1)」通常版が予約開始です!あらすじも公開!
(1月27日記事公開)
「新 仮面ライダーSPIRITS ロンリ-仮面ライダー編(1)」が4/16発売
「新 仮面ライダーSPIRITS ロンリ-仮面ライダー編(1)」が4/16発売!
大首領JUDOとの戦いは終わり訪れた平和。しかし、10人の仮面ライダーには、それぞれの日々にそれぞれの戦いが待ち受けていた…!
初期エピソード3巻と対を成すように描かれる10人の男達の辿り着く果て……!? ストーリーテラー村枝賢一が紡ぐ仮面ライダーの物語、その終着点を刮目せよ!
オールカラー小冊子つきの特装版をロンリー仮面ライダー編第1巻でも発売。
通常版と特装版では小冊子の有無と、カバーデザイン に違いはありますがコミックス本体の内容は同一のものです。
著者/編集:村枝 賢一(著), 石ノ森 章太郎(原著)
出版社:講談社
ページ数:192p
2026年4月16日発売
価格(特装版):1,188円(税込)
価格(通常版):792円(税込)

2026年4月16日発売 | Amazon価格:¥1,188 | JANコード:9784065429808 | ISBN:4065429803 | アーティスト:村枝 賢一 | 出版社:講談社

2026年4月16日発売 | Amazon価格:¥792 | JANコード:9784065429778 | ISBN:4065429773 | アーティスト:村枝 賢一 | 出版社:講談社



Comment
月マガ4月号より『新仮面ライダーSPIRITS ロンリー仮面ライダー編』の内容をご紹介。デストロンに招集されなかったトゲ一族とジバシリ一族を巡るV3編中編です。
第1章は本格的に活動を開始したバダンと世界各地で遭遇した9人ライダー(ライダーマンは過去編だったけど)のエピソードでしたが、ロンリー仮面ライダー編で語られる内容からは仮面ライダーたちは結局バダンや大首領の存在にかかわらず戦い続けていたということがわかります。その状況はこれからも続き、ICPOのSPIRITS本部長・佐久間ケンはそれを「地獄」と呼びます。悲しい物語です。
[連載第6話]
■風見志郎
イタリア・シチリア島のとある路地。異形の怪人に変貌したヤクザものに囲まれる風見志郎。ゲジゲジ、ヘビ、アルマジロ、シマウマ、ネズミ、ネコ、キツネ等と思われる怪人たち。ボスのエンツォは変身もせず余裕を見せ、ロンバルディ一家がジバシリ一族であることを知っているのであれば生かしては帰せない、それとも自分たち同様に変身できるのか、と投げかける。それを鼻で笑う風見の目前にあっという間に怪人が迫る。だがゲジゲジの怪人とシマウマの怪人を素手で簡単にあしらう風見。事前に結城丈二から、トゲ一族とジバシリ一族はデストロンから戦力として認められなかったという情報を得ていた風見は、怪人の手応えの無さにその事実を実感していた。風見を手強いと悟ったジバシリ怪人たちはサブマシンガンとハンドガンを取り出し、風見を狙い撃つ。しゃがんで佐久間ケンに託された分厚く大きいアタッシュケースを盾にする風見。風見はケースを開いてみる。そこには、赤い色をした、佐久間がバダン戦で装着していたものと同じタイプの装甲強化服が収納されていた。装甲強化服を見つめる風見。
同じシチリアの海岸近く、トゲ一族であるデ・ルーカファミリーの当主ヴィットーリオの屋敷。ICPOの潜入捜査官であることがバレた佐久間ケンはトイレに立て籠もっていた。ヘラジカ、ハリネズミ、カジキ、バラ等と思われる怪人たちが息巻く。ドアをぶち破ろうと言い出す怪人をヴィンテージだからやめろと止めるヴィットーリオ。トイレの中、佐久間はアタッシュケースを開く。自分が渡したV3をイメージした赤い装甲強化服を風見も装着していることを嬉しそうに想像しながら、佐久間は自身の純白の強化服を装着する。ゆっくりトイレのドアを開ける装甲強化服の佐久間。
銃撃を受ける風見。風見は赤い装甲強化服を見つめるがアタッシュケースを閉じてしまう。目にも止まらぬスピードでアタッシュケースの影から横へと飛び出す風見。慌ててサブマシンガンをそちらに向けるネコ怪人の銃弾が仲間のアルマジロ怪人の背中を誤射する。風見は懐から2丁のリボルバーを抜くと、さらに横っ飛びしながら怪人たちに発砲する。命中し倒れる怪人たちに近づき二丁拳銃を突き付けた風見は、「銃に頼るからそうなる。きさま等もジバシリならばその足にプライドを懸けるべきだ」と言い放つ。
「耳が痛え程に正論だな。だが、テメエが今手にしてる物は何なんだよ」と言うエンツォに対し、「フン。俺はお前達の様な特別な力は持ち合わせていないんでね。…だが、何なら今から素手で相手をしてやってもいい」と両手の銃をクルクルと回して路面に投げ捨てる風見。「肝の据わったヤロウだ。気に入った。ファルコ・ペレグリーノ、てめえはロンバルディ一家が雇ってやる」とエンツォ。
最初に、割った酒瓶を両手に風見に襲いかかったチンピラが、自分の顎を蹴り上げたこいつは許せないから殺しちゃいましょうと、エンツォに背後から声を張り上げる。エンツォの右足だけが逞しい馬の足に変化し、振り返りもせずその蹄でそのチンピラの顔面を蹴り上げる。吹っ飛んで空中を回転しグシャと路面に落ちるチンピラ。頭部から大量に血を流し失禁して痙攣するフランコという名のチンピラの頭部はユニコーンに変わっていた。「俺に意見だと? 百年早えよ、フランコ」と右足の蹄でガッガッと地面の石畳を蹴るエンツォは、変身したまま意識を失っているフランコに「ビビっちまったらそのナリを晒しちまうクセ、相変わらずのようだな」と更に吐き捨てる。
「いいんですか、エンツォさん。仲間が撃たれてるんですぜ」と変身していない手下が、腕を撃たれたキツネ怪人をかばいながら声を発する。「まあな。だが変身できない奴は無傷のはずだ」と言いながらエンツォの頭部が変貌していく。エンツォの言葉に風見が怪人しか撃っていないことに気付く手下達。首から上が、頭部の右上部だけに人間の顔面を残した黒い馬となったエンツォ。人間の顔と馬の顔とを分けているのは額から斜めに顔面を走る稲妻型⚡️の傷か痣である。馬の姿の左目は燃える炎のような形をしている。「因みに俺の通り名は『カヴァロ フルミネオ』だ。宜しくな、ファルコ」とエンツォ。「雷の馬」を意味する通り名に目付きが鋭くなる風見。人間の姿に戻ると「近い内に抗争がある。期待してるぜ」と風見と握手しながらその肩に手を置くエンツォ。
一方、デ・ルーカファミリーの当主ヴィットーリオの屋敷。窓の一つが割れる。内部では6体の怪人が氷漬けになっていた。佐久間の装甲強化服の左腕に装備されている冷凍ガス砲によるものである。変身できない者達ももう向かってはこないため、フェイスガードを上げて素顔を見せる佐久間。
「すばらしい。合格だ、コルナッキア・グリージャ。あんたみたいな男が最初からいてくれたら我らトゲ一族もデストロンに選ばれていたかもしれないな」と煙草を咥えてライターで火を付けるヴィットーリオ。「…だけどヴィットーリオさん」と口を挟む佐久間に、煙を吐き出しながら「いいんだ、ICPO(インターポール)とはそれなりの取り引きをすれば済む。デ・ルーカファミリーには、あんたの力が必要だ」と答えるヴィットーリオ。「それと…」と大きく吐き出した煙が晴れた時、そこにはオニオコゼの頭部が現れ、「この姿の時はドン スコルフィーノと呼んでもらおうか」とヴィットーリオ。
「なるほど… それで力が必要とは?」と佐久間。また大きく煙を吐き出し今度はオニオコゼの頭部から人間の素顔へと戻ると咥えていた煙草を手に取り口を開くヴィットーリオ、「…闘争だよ。デ・ルーカ(俺たち)と永い間対立してきたロンバルディファミリーというマフィアがある。またの名を『ジバシリ一族』。デストロンがあった頃からの因縁だ。新たな依頼があるまでに決着をつけておきたい」。「解りました。コルナッキア、力になりましょう」とヘルメットを脱ぎウインクをする佐久間。
日が暮れ夜となる。
ロンバルディファミリー/ジバシリ一族から一室をあてがわれた風見は、窓台に腰掛け、差し入れられているパンとワインを口にする。安らいだ顔付きとなる風見。
ハットの一部が点滅する。佐久間からの通信だった。デ・ルーカファミリー/トゲ一族から与えられた一室のソファに座る佐久間とハットとハットで会話を始める。二人はお互い潜入に成功したことを報告し合う。折角用意した風見専用強化服を使用しなかったと知った佐久間はその理由を問い詰める。
「あれはちょっと…派手過ぎないか」と風見。
「だって風見さん、変身した頭の色と同じじゃないですか」
「変わるのと着るのでは気分が違う」
「気分……」「せっかく風見さんのために作ったのに… 今自分が変身できないって事解ってます?」
「大丈夫だ。二丁拳銃で切り抜けた。それすらなくとも俺は戦える」
「ちょっと……怒りますよ」
黙る風見。
「言いたかないけど言わしてもらいます」と佐久間。「風見さん、あなたのその戦闘に対する執着心は異常です」
黙ったままの風見。佐久間は唾をのみ込んで言いにくかったことを一気に口にする。
「私がデストロンハンターとして共に戦っていた頃は、あなたの強さと揺るがない信念に憧れを抱いていた。ICPO(インターポール)に帰り後の情報によって風見さんがV3である事を知りました。ICPO(インターポール)はその後の記録を追いながら、いつかあなたたちをバックアップするべくSPIRITSの計画を進めていった……
それまで私はあなたの事を不死身なんじゃないかと思っていました。だが……違った……
あなたを突き動かす理由はいくつもあった ── ご両親の無念、デストロンの壊滅。その後、連綿と続く組織の出現に対し後発の仲間を鍛え支え戦い続けてきた…
もっと早く気付くべきでした。それは終わりのない地獄だという事を」
風見が口を挟む、「ケン…考えすぎだ」。佐久間の次の言葉に風見は軽くショックを受けた表情となる。
「この結論を出したのは私じゃない。立花さんです。
バダンとの戦いで使ってしまった捨て身の『火柱キック』。そして、変身不能の状態で戦い続け、ついに発動させた…帰って来た仮面ライダーV3。
記録によれば暴走した出力による破壊衝動は大首領JUDOに酷似していたとあります。ZXのプロトタイプであるあなたがそんな負荷にいつまで耐えられるのか…」
いきなり佐久間のいる部屋のドアが開く。光る二つの目。「誰と話してるんだ?」
驚いて立ち上がり、ハットの通信を切断する佐久間。
部屋の外でヴィットーリオが傍らの男に声をかける、「おい挨拶しねえか」。「こいつは『カルロ』、あんたの世話焼き係だ」と紹介された男は、ロンバルディファミリーでフランコと呼ばれていた男だった。エンツォの蹄で砕かれたのかマスクをして口元を隠している。ヴィットーリオは「こいつもトゲの一員だが毒も鋭さも持たねぇだらしない奴だ。それでも、あんたの世話焼き係くらいは務まるだろう」と紹介する。その男の正体はユニコーン男 ─ 地を駆け、トゲ/ツノも持つ。しかしロンバルディファミリーでは、エンツォからも、走力の低さを電話番もできない鈍足だと罵られていた。トゲ一族としてはツノを蔑まれ、ジバシリ一族としては走力を蔑まれる。俯きながらも血走った目を大きく見開いたままのカルロ/フランコ。
どこまで話を聞かれたかが気が気ではない佐久間。
手下から呼ばれたヴィットーリオは、「せいぜいこき使ってやってくれ」と言い残しカルロ/フランコを置いて去っていく。
ヴィットーリオが向かった先は地下室だった。そこには鉄格子で閉ざされた粗末な研究設備のある牢があり、一人の男がうずくまっていた。ヴィットーリオはその男に呼びかける、「ついに完成したそうじゃないか。拷問に拷問を重ねてきた甲斐があったってもんだ。なあ『犬神』」。