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仮面ライダーW(ダブル)

「CSMジョーカードーパントメモリ」応募者全員サービス!4/28発売『風都探偵』単行本14集or4/24発売スピリッツに応募券付属!ときめ(CV:関根明良さん)のセリフを16種収録!

(4月24日追記)

「CSMジョーカードーパントメモリ」応募者全員サービス

「週刊ビッグコミックスピリッツ」・「風都探偵」第14集の
応募者全員サービスにて「CSMジョーカードーパントメモリ」が登場!

●4月24日発売の「週刊ビッグコミックスピリッツ」21・22合併号や、
●4月28日発売の「風都探偵」単行本第14集に付属する応募券にて応募が可能です。
(「週刊ビッグコミックスピリッツ」23号~30号にも同様の応募券が付属します。)

●応募負担額:3,000円(送料・税込)
●応募締切:2023年6月30日(当日消印有効)

●Amazon:月刊!スピリッツ 2023年 6/1 号 [雑誌]: ビッグコミックスピリッツ 増刊

4月28日発売『風都探偵』コミック第14巻には
ときめ役・関根明良さん&五条一葉役・伊藤美来さんの声優SP対談を完全収録!

CSM仕様の塗装・造形
「CSMドーパントメモリ 風都探偵セット」と同様の造形で、2010年に発売した「ドーパントメモリ」から骨ディテール・背面の再現度がアップ。さらに塗装は「仮面ライダーW」の劇中プロップに合わせた重塗装を施しています。
本体正面のスイッチは、劇中に合わせた目立たない形状で、本格的ななりきり遊びが可能です。

ときめ(CV:関根明良さん)のセリフを16種類収録
アニメ「風都探偵」でのときめの印象的なセリフを多数収録!
さらにボーナストラックとして、単行本最新刊第14集にて描かれるときめの名シーンのセリフも1点収録されています。

ステッカーが2種類付属
本商品には、外観再現の為のステッカーが2種類付属します。
通常のドーパントメモリの見栄えにするための「通常仕様ステッカー」と、
原作での外観を再現するための「原作再現ステッカー」の2種類です。

(4月23日記事公開)

『風都探偵』”切り札”的応募者全員サービスが実施!

4/24発売のスピリッツ21・22合併号より『風都探偵』新章スタート!
単行本14集の4月28日発売を記念して
“切り札”的応募者全員サービスが実施されます。

詳細は4/24発売のスピリッツか公式ツイートをチェック!

Comment

  1. SICファン より:

    一か月ほど前に久しぶりに本格的な風邪をひき、月刊誌の情報が滞ってしまいました。生活ペースも回復したので今週発売号から再開させてください。まずは…
    スピリッツ 21・22合併号より。『風都探偵』再開、i編。
    ■第128話『iよ もう一度 1 / 胸の風穴』
    [カラー扉]後ろでは亜樹子と風都イレギュラーズが楽しげで、フィリップは読書をしている。翔太郎はひとり、ふうとくんのキーホルダーを手にし物憂げにコーヒーを飲んでいる。
    茶色のトラ猫の写真を手に、迷い猫探しの仕事中の翔太郎。公園のベンチに座り、初めてときめを目撃した公園の噴水を見詰め、ぼんやりと全裸のときめの幻を見ている。猫の写真を持つ左手をミックが舐める。「なんだよ、おまえ。俺を慰めに来たのか?」と翔太郎が話しかけると、ニャーと鳴くミック。いつもはそっぽを向いている気ままな奴でも、こっちが凹んでいると急に寄り添ってきたりする。マイペースなようで意外と空気を読んでいる ── 猫ってのは不思議な生き物だ、と思う翔太郎。そして、ときめもそういうところがあった、と。ときめの手掛かりを求めて毎日探し回ったが目撃情報の一つも得られず、翔太郎は「もう戻らない」というときめの強い意志を感じていた。翔太郎は、自分にとってのときめの存在の大きさに、胸に開いた風穴の大きさに、自分でも驚いていた。
    物思いにふけってしまっていた翔太郎が猫の鳴き声で我に返った時、ミックが集めてくれた、写真の猫に似た十匹以上の茶色のトラ猫に囲まれていた。区別がつかないためその全てを事務所に連れ帰る翔太郎。唖然とするフィリップと亜樹子。亜樹子は一匹ずつ猫を鑑定し依頼されていた探し猫を発見する。ミックは残りの猫を連れて外へと出て行く。依頼人への猫発見の連絡を終えた翔太郎は呟く「……はあーっ。今日は完全にミックに助けられちまったなあ。唯一得意の猫探しまでこんな調子じゃ、ミックに事務所譲ったほうがいいかも。」ガツンと閉じているドアにぶつかり頭を打つ翔太郎。「ちょっとガレージで仮眠するわ……」と照れ笑いを浮かべながらドアを開けて部屋を出て行く。
    「……かなりの重傷だね、予想の通り」とフィリップ。亜樹子の問いかけにフィリップが答える。まだときめの匂いがする、と言って相変わらず自宅では寝ていないのだという。翔太郎が一瞬でもときめのことを忘れられるようにイベントを企画しよう、と明るく言い出す亜樹子だったが、フィリップは反対はしないが自分は参加しないとそっけない。ときめの件ではフィリップ自身も大きく傷ついているのかと思い当たった亜樹子は一旦落ち込むが、思い直して実行の意を強くする。
    亜樹子が翔太郎を連れて来たのは、風都のグルメストリートである「イブクロ横丁」というアーケード街。その中の立派な中華料理店「威風」に入る亜樹子と翔太郎。通された広い部屋には、風都イレギュラーズの面々、ゾーン&ビースト事件の際のサム(尾藤 勇)、鈴鳴珈琲店の店長、風麺のマスター、翔太郎が世話になっているという風都の顔役の壮年紳士ら数名が集まっていた。「おまえが凄く辛い目に遭ってると鳴海の旦那の娘さんから聞いてな。みんなで集まった」とサムが翔太郎に話しかける。亜樹子に詰め寄る翔太郎だったが、サムが「詳しい事情までは聞いてねえよ。だが、そんな仲間がいたら笑顔で支えてやるのがこの街の流儀だ」と割って入る。その言葉に「だらしねえなあ、俺。こんなにみんなに心配かけるぐらい……弱ってるのが丸出しだったなんてさあ……」と翔太郎。その肩を後ろから抱きながら「ま、いいじゃねえか。半人前なりにおまえが自分の胸に抑え込めるようになってきたって事だ。たまには甘えてパーッと騒げ」とサム、頷く風都イレギュラーズ。「……ああ!ありがとう、みんな!」と笑顔になる翔太郎。
    宴会が始まる。乾杯の音頭をとるのは、イブクロ横丁商工会・会長、イタリア料理店「ネーロ」の大山。翔太郎は再開発のために地上げ屋に立ち退きを迫られた際に助けてくれたイブクロ横丁の恩人だという話、自分の店は狭いので「威風」さんにお願いしたという話などをする大山は、話が長いとの野次を受け、乾杯へ。談笑があふれ、空の皿が異常なまでに積み重なっていく。そのペースに予算がやばいと青ざめる亜樹子だったが、久しぶりの翔太郎の笑顔を見て「…ま、いっか!」と思う。
    ウォッチャマンに、翔太郎がこれといった好物がないから会場を「威風」に決めてしまったので、悪いのは翔太郎だとからかわれる。他の風都イレギュラーズの面々からも珈琲も師匠の影響でしかないし生活感もないと言われてしまう。そこで翔太郎は思い出の一食を告白する。それは少年時代にイブクロ横丁のバー「アイアン」で時々師匠におごってもらったアイスクリームだという。今でもあれ以上のものを食べたことはない、と。鳴海壮吉によると、そのバーのマスターは若い頃は風都グランドホテルの料理長だったとのことだった。父親の思い出に感慨深げな亜樹子。壮年紳士の中にも、そのアイスクリームは呑んだら必ず食べたという者がいた。青山 晶が目を輝かせて自分がそのアイスクリームを奢ると言い出すが、バー「アイアン」は閉店してイブクロ横丁を引き払っていたのだった。それにめげない青山 晶は風都イレギュラーズに提案し、イレギュラーズがバー「アイアン」のマスターを探し出してレシピを聞いて再現することが決まったと翔太郎に報告する。宴は終わり、翔太郎をはじめ宴会場でそのまま寝込んでしまっている者も多数いた。
    (実際…俺はどれだけ周囲に心配をかけているかを知らなすぎた。いつもならもう少しは周りに気を配れていたはずなんだが…… これがあの不気味な事件の引き金になるなんてこの時は夢にも思わなかった……)
    その夜、イブクロ横丁のパティスリーカフェ「天塔(あまとう)」、午前1時の厨房で苦しそうに倒れている女性職人。その女性が荒い息で起き上がろうとした時、ベコンと、その腹部から胸にかけて大きな真ん丸の穴が空いた。胴のほとんどを失って倒れる女性。倒れた背からは大きく空いた穴から床が見える。横丁のアーケードの屋根の上を歩く異形のものがいた。頭部には中央と両脇にツノのように突起があり、顔面は左右4本ずつの細いスリットがあるだけ。でっぷりと太った下半身と腕の長い上半身は腹部で切り離されており、上半身の下端と下半身の上端は歯並びの悪い歯が並んでいるように見える。
    ★応募者全員サービス:CSMジョーカードーパントメモリ ¥3,000 6/30応募締切 ときめの台詞16種収録。通常の「J」ロゴのステッカーと、フィリップが修理した際の武骨な金属板を表現したステッカーの2種が付属。雑誌に印刷されている応募券を貼って応募(応募券1枚につき1個購入可)→7月末に振込先通知→8月末までに振込→入金確認ができた件から発送。
    ■次号予告に記載なし。

  2. 匿名 より:

    サイクロンのドーパントメモリも欲しいな…
    かと言いこれは手に入れないと転売で値段高くなるだろうから手にしたい。

  3. SICファン より:

    CSMジョーカードーパントメモリ応募券付属中です。スピリッツ 24号より。
    ■第129話『iよ もう一度 2 / 仲間たちの思惑』
    亜樹子の主催により、イブクロ横丁の中華料理店「威風」で開催された、翔太郎を慰める大宴会の翌朝。事務所で着の身着のままで目覚める翔太郎、二日酔いである。「おー、おはよー」と入ってくる亜樹子。亜樹子は、寝床であるボックスの中から顔だけを出すミックにも挨拶しながら、昨夜の事情を語る。酔いつぶれた面々を順次帰宅させ、翔太郎を事務所まで運んできたのだという。フィリップは外泊しており、翔太郎が寝ていたのはフィリップが普段寝ているベッドだった。「…フィリップも最近ちょっと様子が変だよな。やっぱ俺がクヨクヨしているせいかな。あいつにもちゃんと謝んねえとな……」とひとりごちる翔太郎。
    ベイサイドの特別廃棄場、廃棄された乗用車の山の頂点に上り周囲を眺めるフィリップ。そしてフィリップは、b編の依頼人だったカメラマン・弁財天源十郎の家の中にいた。温かい飲み物を持ってくる源十郎。フィリップは、「普通の人間」として相棒に対しどう振る舞うべきかを、自分の正体を知る数少ない友人に相談していたのだった。源十郎が口を開く「フィリップ君。普通の常識なんか持ち合わせた人間が、こんなゴミ捨て場の近くに長年住むと思うかね?」「我々変人はひたすら信じた通りに生きればそれでいいんだよ」「そして、君が悩んだ時にここにまたきてくれた事が……俺にはとても嬉しい」。フィリップを見詰める源十郎。見つめ返し「源十郎さん!」とその名を呼ぶフィリップ。その時、騒々しい足音がして突然ドアが開く。ばっ。にこやかに現れたのは「bbb」の面々、風都サイダーの蓋のコレクター、馬場凡太と、蟻マニアの暮雨川しおれだった。笑顔がこぼれるフィリップ。それは、昨夜、風都イレギュラーズを始めとする翔太郎の友人たちが翔太郎を元気付けた様子にも似ていた。
    鳴海探偵事務所。翔太郎が自分の帽子がないことに気付く。それは「威風」の宴会場の片隅に落ちていた。
    青山家、姉弟で朝食のテーブルについている。姉・唯が、弟・晶が昨晩思い付いたという、翔太郎の思い出のアイスクリーム復活計画の実現性を尋ねる。晶が現状と見込みを語る。翔太郎が少年時代に壮吉からアイスクリームを御馳走になっていたバー「アイアン」のマスターは5年前に亡くなっており、そもそも余命宣告を受けたことから店を畳んだらしかった。しかしクイーンが、「アイアン」のマスターが若い頃料理長を務めていた風都グランドホテルに知り合いがいるため、アイスクリームの事を調べに行ってくれるとのこと。さらにケーキ屋の森川店長が、マスターがアイスクリームを作っているのを見たことがあるため、店で再現に挑戦してみてくれると言ってくれた、と。翔太郎のためにと張り切る弟に、みなさんの足を引っ張らないようにと釘を刺す唯。「大丈夫! ぼくは大した事しないから! だってぼく! 一人じゃなんにもできないもん!」と悪びれずにこやかに宣言する晶。一瞬あっけにとられるが「…そうだよねー、知ってた」と唯。晶は登校していく。
    「威風」を訪ね無事帽子を受け取り、店長に昨晩の大騒ぎを詫びる翔太郎。その時、パトカーのサイレンが聞こえる。丁度その頃、青山晶は、バー「アイアン」のアイスクリームを再現してくれると言ったケーキ屋に向かって、ウォッチャマンとサンタちゃんと三人でイブクロ横丁を歩いていた。ケーキショップ「天塔(あまとう)」に警官が集まっていることに気付く一行。ウォッチャマンは「あんれえ!? ケーキ屋さん…なんかあった?」と意外そうである。三人を翔太郎が認める。事情を聞かれて帽子を取りに来たことを答える翔太郎は、「威風」を一緒に出て来た店長が見当たらないことに気付く。逆に三人に事情を聞く翔太郎だが、計画を悟られなくない三人はお茶しに来たのだと嘘をついて誤魔化す。ウォッチャマンが警官たちの中に刃野刑事と真倉刑事の姿を見付ける。
    路地裏に集まる刃野、真倉、翔太郎、青山晶、ウォッチャマン、サンタちゃん。缶・梅昆布茶を開けて飲んだ刃野が事情を語り始める。「天塔」のパティシエ・花村裕子(26歳)が死亡。刃野らは、死因が超常的ではあるが照井警視不在のため押しが効かず、捜査一課から締め出しを喰らっていた。検死結果はまだ出ていないが、鑑識の見立てでは「急性餓死」と表現するのが近く、しかも死亡場所は食糧に溢れた厨房なのだという。そこで刃野と真倉はメモリ犯罪を疑って出動していたのだった。ケーキショップの店長が事情聴取中だと知り、今日は空振りだと覚悟する晶たち。梅昆布茶が足りないからもっと買って来いと真倉に言う刃野。真倉は3本も買って来たはずだと主張する。急に空腹で眩暈がすると訴え始める刃野。弁当を二人分食べたばかりだと指摘する真倉。耐えきれず持っていたボトル入りガムの蓋を開けて、中のガムタブレット全量をを口内に流し込む刃野は、それでも空腹はおさまらずその場に膝を付く。そして急にその場にいた全員が凄まじい空腹に襲われる。翔太郎が路地から出ると、制服警官と捜査一課の刑事ら全員も同じ状況で、飲み物か食べ物を持つ者は憑りつかれたように飲み食いしていた。翔太郎が、ドーパントが存在する可能性に注意を促す。ドーパントの姿を探す青山晶が、ビルとビルの間に、でっぷりと太った下半身と腕の長い上半身が切り離された姿のドーパントを発見する。左右4本ずつの細いスリットがあるだけのドーパントの顔面の、左の一番上のスリットが開いて巨大な眼球が覗く。360度ギョロギョロと目まぐるしく回転した眼球が落ち着き、普通の瞳のような大きさとなって、青山を認める。「オマエモ…カ…?」とドーパントが呟いた時、青山は大きく吹っ飛ばされる。その身体の中央には大きな円盤状の穴が空き、その向こうに翔太郎が見えていた。思わず「晶ぁっ!」と叫ぶ翔太郎。
    ■次号予告に記載なし。

  4. SICファン より:

    CSMジョーカードーパントメモリ応募券付属中。スピリッツ 26号より。
    ■第130話『iよ もう一度 3 / 襲い来る飢餓』
    裏風都の一角で爆発のような光が上がる。倒れる二体のロード・ドーパント。ドライバーからジョーカーメモリを抜き変身を解除するジョーカー・ドーパント→ときめ。自分の現在の境遇を、追い剥ぎに逆戻りだ、と自虐するときめ。ときめは、頭に浮かぶ翔太郎の姿と表の世界への心残りを振り払うと、変身解除し気絶しているロード・ドーパントだった黒服が持っていたアタッシュケースの中身を奪う。リアクター・ドーパントが部下のロードを二体連れて、ビルからビルを跳躍しながらときめを捜索している。ロード・ドーパントが襲われた現場を発見するが、ロードの持ち物が既に奪われた後であることを知り、悔しさと怒りで思わず傍らの建物を叩くリアクター。リアクターの拳に触れた箇所が融け崩れる。
    本部?に帰還する双見 光。入室すると、疲れ果てたかのように無言で階段に腰を下ろす。「うまくいっていないようだね、魔女狩りは…」と万灯が声をかける。「…勝てる気がしませんよ。圧倒的に強い上に神出鬼没で手に負えない」と光。裏風都に残留する覚悟を決めた ときめは、肉体の消耗が激しいロード・ドーパントが共食い防止のために持たされている食料ボックスの中身を奪って自分の食料にしているのだった。本日の被害ロードは5人だという。ある計画にかかりきりらしい秀夫の応援を依頼する光だったが、万灯は言下に否定する「街の拡大も止めてはいけない。そのためのロードの警護と魔女の撃退、あわよくば確保… ここまでが君の仕事だ」。黒スーツ・サングラスの部下の一人が入室し万灯に何事かを耳打ちする。「今は君しかまともに彼女とやり合えない。任せたよ光君」と言い残すと、黒服の部下と共に退室する万灯。一人になった光は、思いっきり後ろに倒れ込み寝転ぶ。「ブラックの極みだな、万灯さん…… 街の色とおんなじだよ」と呟く光。
    表の風都、パティシエ変死事件の捜査現場である、イブクロ横丁のパティスリーカフェ「天塔(あまとう)」近辺。謎のドーパントの攻撃により身体の真ん中に円盤状の大穴が空いてしまった青山 晶を抱きかかえる翔太郎。晶がドーパントの居場所を指さす。翔太郎は、すかさずその方向にスタッグフォンを投げつける。スタッグフォンの攻撃を避け、ビルとビルの狭間から跳躍し、翔太郎や刃野らの目の前に着地するドーパント。下半身と上半身は腹部で切り離されており、上半身の下端と下半身の上端は歯並びの悪い歯が並んでいるように見える。上半身には感覚器官はないのか、下半身の上端の口の中のような部位に両手両足がつながっている、目の穴だけがあるのっぺらぼうのような小人が周囲を見回し、晶と翔太郎を見つけると、それと同期をとるように浮かんでいる上半身も同じ方向を向く。この上半身に対面した人間は猛烈な空腹に襲われるようだ。翔太郎はこのドーパントのメモリが「飢え」であることを確信する。
    ドーパントの存在に気付いた制服警官三人が、ドーパントを銃撃する。何発かが上半身に着弾するが、ダメージはなさそうである。銃撃された方向を向いたドーパントはひと跳びで警官たちの眼前に迫る。二人の警官を薙ぎ払うと、一人の警官の肩を両手でつかみ上半身が迫る。左右四本ずつのスリットしかない顔面の左上端のスリットから、零れ落ちそうなほどに眼球がとび出す。「………オマエモ?」という言葉とともにその眼球に睨まれた警官も、身体の中心に円形の穴が空き倒れる。
    晶と警官の命の危険を察した翔太郎が、一人ドーパントに向かってよろよろと歩いて行く。物陰に隠れ腰を下ろした翔太郎はドライバーを装着する。ベイエリアの弁財天源十郎の家で「bbb」の面々と旧交を温めていたフィリップの腰にドライバーが出現する。変身! フィリップの隣りにいた蟻マニアの暮雨川しおれがフィリップを受け止めようとするが、失敗してフィリップの頭で自分の頭を打つ。
    イブクロ横丁の一角に出現する仮面ライダーW CJ。しかし翔太郎は既に空腹攻撃を受けており、立っていることすらおぼつかない。決着を急ぐ必要に迫られるW。自分を銃撃した制服警官全員に風穴を空けたドーパントは、ふわりとイブクロ横丁のアーケードの屋根の上に立っていた。「ジョーカー・マキシマムドライブ!」どこからともなく聞こえる機械音声をいぶかるドーパント。次の瞬間、足元のアーケードを蹴破って現れたWの黒い左半身は、ドーパントの上半身を反対側のビルの壁面まで蹴り飛ばす。一瞬遅れて反対側からアーケードを蹴破って出現したWの緑色の右半身は、ドーパントの下半身を反対側のビルの壁面まで蹴り飛ばす。アーケードの上で復元し一息つくW。メモリブレイクはできていないが一撃でそれなりのダメージを与えることには成功したらしく、晶や警官隊の風穴は復元し餓死は免れたことが見て取れた。フィリップも敵のメモリが「ハングリー」であることに同意する。深追いは危険だというフィリップだったが、翔太郎は、敵と目さえ合わせなければ一撃でやられることはないと、力を振り絞り止めを刺しに向かう。壁面に埋まったドーパントの上半身の元に着地するW。Wが一撃を加えようと身構えた時、壁から落下しうつ伏せに倒れる上半身。慎重に近づくWだったが、ドーパントの背に一瞬で四つの目が開く。四つの目に見詰められたWの身体の中心に大穴が空く。
    ■次号予告に記載なし。

  5. SICファン より:

    CSMジョーカードーパントメモリ応募券付属中。スピリッツ 28号より。サイクロンメモリのマキシマム「ジョーカースパイラル」発動。
    ■第131話『iよ もう一度 4 / そこにある危機』
    うつ伏せに倒れているドーパントの背に突然出現した四つの目玉に睨まれ、飢餓攻撃の直撃を喰らってしまったWは、立っていることもできず膝を付く。胸に空いた大穴は、実際には肉体は消失しておらず、体内の栄養分を瞬時に奪うドーパントの能力が視覚化され透明になっているのだった。「中」で翔太郎を必死で呼ぶフィリップだったが、翔太郎は答えることもできず、Wの左目の光も消え左半身がガクッと地に落ちる。翔太郎がどうにかフィリップに答える「………こいつは、…ダメだ。…相棒… オイルタンクに穴が空いたバイクみてえに…いきなり動けなく…なっちまった…… もう空腹とかいうレベルじゃねぇ…… 活力がゼロだ… …意識すら… もう…」。意識を失いかけた翔太郎に呼びかけるフィリップ。その時、ゆらゆらと空中を浮遊するドーパントの上半身が話しかけてきた「………オマエモ…カ…… ……オマエモ… アソコノ住人カ……?」。ドーパントが「アソコ」と言って首をひねって指したのは、イブクロ横丁のアーケードの屋根だった。撤退のためにリボルギャリーを呼ぶことを提案するフィリップ。Wがスタッグフォンを開いた時、向かいのビルで作業中の作業員三人が目に入った。ドーパントの影響を受けて空腹に苦しんでいることは明らかだった。Wの視線を追ったのか、ドーパントも頭をビルの方に向ける。ドーパントの顔面の八本のスリットのうち左の一番上のスリットの中から目玉が姿を見せ、作業員三人を睨もうとする。新たな犠牲者の発生を感じた瞬間、Wの動きが突如俊敏になり、左手でドーパントの顔面を殴りつけた。顔面が凹み吹っ飛ぶドーパント。Wの左目の奥に微かな光が灯り、ドライバーのジョーカーメモリは発光していた。Wは、転がったドーパントの上半身を両手で抱き締めたまま駆け出すと、ビルの作業員に向けて逃げるように声をかける。一人の作業員が何か言いたそうに口を開くが声にはならない。Wに抱えられたドーパントは、突出していた排気口のような物をすれ違いざま左手で掴み、Wを転倒させる。しかしWは、転がるドーパントの上半身をすかさず抱えて再び走り出す。建物の端に到達したW、翔太郎は、逃げるために使わなくてはならなかった体力を使ってしまったことをフィリップに詫びながら、「後は… …頼んだ!」とドーパントを抱いたまま眼下の川へと飛び込んだ。逃げようとしていたビル作業員のうちの一人は仮面ライダーが川に飛び込んだことに気付く。
    水中。フィリップは思い当たる。翔太郎は他人の危機を目の前にすると思わず飛び出してしまう男だったということに。おそらくは、翔太郎のその心にジョーカーメモリが反応して、僅かに残った体力を増幅したのだろう、と。「わかった翔太郎。君のこの最後の力は… ぼくが…… …全て攻撃に使う!」。Wは右手でサイクロンメモリを引き抜くとマキシマムスロットに装填した。[サイクロンマキシマムドライブ!] Wの右の手刀を中心にドリルのような竜巻が発生する。そのまま右手刀で、抱えているドーパントの胸を抉るW。確実にダメージを受けるドーパント。ドーパントの上半身はバタバタともがきながら泳いで逃げて行く。ドーパントの能力が途絶えたのか、それを見送るWの胸の風穴は塞がっていった。「翔太郎風に技名をつけるなら……ジョーカースパイラルというところか」というフィリップの呟きに、左手のサムズアップで答えた翔太郎だったが、それを最後に、完全に意識を失ってしまう。変身も解除され、気を失ったまま水中を流されていく翔太郎。それを追うように帽子も流されていく。
    ベイサイドの弁財天源十郎の家で目覚めるフィリップ。変身して倒れた時に蟻マニアの暮雨川しおれとぶつけた頭の痛みが走る。翔太郎の救出に向かうために、bbbの面々に事情を説明しながら、窓を開けるフィリップ。飛来したエクストリームメモリは、フィリップを分解して収容すると、飛び去って行った。その様子に驚くbbbの面々。風都サイダーの蓋のコレクター、馬場凡太は「凄い人と友達になっちゃったねぇ、ボクら」と呟く。そこに「ちょっと…… 今、何かありました!?」と言って何者かが突然入室してくる。
    川の中を流される翔太郎。ビルから、水中の翔太郎の影を認めた一人の作業員は、川に飛び込むと翔太郎を河岸に引き上げた。意識を取り戻す翔太郎。先程の作業員に救われたことに気付いた翔太郎は、自分が仮面ライダーであることはなるべく他言しないでほしいと頼む。「…安心しろよ、俺は口が堅い男だ」と翔太郎に帽子を渡してくれる作業員。「以前頼まれた通り、君たちの正体はまだ誰にも話していないぜ…… 左…翔太郎くん……」と続ける作業員はヘルメットを脱ぐ。翔太郎は自分を救ってくれた作業員が誰であるかに気付く。それは「閉ざされたk」編の時の山中の屋敷の主・鏡野空也だった。
    ■次号予告に記載なし。

  6. SICファン より:

    CSMジョーカードーパントメモリ応募券付属、ラストチャンス。スピリッツ 30号より。
    ■第132話『iよ もう一度 5 / 横丁の影』
    日が暮れる。鳴海探偵事務所のベッドで眠りにつく翔太郎。一安心するフィリップと亜樹子。翔太郎をここまで運んできてくれたのは鏡野空也だった。通常の治療では治癒しない、ガイアメモリ攻撃によるダメージよりはマシなのかと問う亜樹子に、それでも一瞬で餓死寸前まで体内の栄養分を奪われたのだからすぐには身体が食事を受け付けず当分は起きる事もできないはずだ、とフィリップ。帽子を取りにイブクロ横丁に行ったはずだったのに死にかけて帰ってくる翔太郎を、あいかわらずだ、と言う亜樹子。フィリップは、空也が助けてくれなかったら間に合わなかったかもしれない、と改めて空也に心からの礼を言う。全てを失い裸一貫から人生をやり直そうとしていたという空也は、建設会社に雇ってもらって身一つで稼いでいた。突然空腹に襲われた時Wとドーパントの戦闘を目にしたため事情は即座に理解でき、川に落ちたのはわかったから、同僚を逃がした後、川に飛び込んで追いかけたのだという。こうして新しい人生を歩んでいられることの恩人を助けないという選択肢はなかったと言う空也。フィリップは、危険なドーパントを野放しにはできないので、自分がイブクロ横丁に調査に向かうしかないと言い出す。驚く空也。ドーパントはイブクロ横丁に隠れているのかと問う亜樹子。ドーパントに「おまえも横丁の住人か」と問われたことを伝えたフィリップは、本を閉じて立ち上がると、今回は「検索」ではなく、「調査」を始めようと亜樹子に声をかける。
    その頃のイブクロ横丁。ジョーカースパイラルに抉られた胸を押さえふらふらと浮遊するハングリー・ドーパントの上半身が、ぺたぺたと歩く自分の下半身に出会い、その上部に浮かぶ。ハングリー・ドーパントの顔の前面がうっすらと光を放つ。
     翔太郎が寝たきりのまま目を覚ましてはゼリーを舐めるだけの生活を送っている間に、フィリップは現場の調査を進めていた。身体に穴を開けられる攻撃を受けた青山晶と警官たちは、死には至らなかったものの翔太郎と同じ状態で入院していた。刃野刑事らから話を聞き、風都イレギュラーズに聞き込みを依頼するフィリップ。そしてフィリップは風都イレギュラーズをスナック&カフェ「白銀」に集め、調査結果を説明する。事件当日現場周辺にいた人々が「ハングリー」の影響を受けたかどうかの聞き込み結果を地図に表し、「ハングリー」の影響範囲は半径約100m圏内だと割り出す。さらに、被害範囲の中心部がドーパントの出現地、即ち犯人がガイアメモリにより変身した位置だと想定したフィリップは、犯人が潜伏している店舗を、①イタリアン「ネーロ」、②中華「威風」、③ケーキ店「天塔(あまとう)」に絞り込んだ。長テーブルに集うイレギュラーズの顔が一斉に曇る。「威風」は翔太郎を励ます会の会場でもあり、その伊倉店長もイブクロ横丁の商店会長でもある「ネーロ」の大山店長も喜んで翔太郎を励ます会に参加してくれた顔見知りであるため、殺人犯だとは思いたくないのであった。話題がパティシエが殺害されている「天塔」に及んだ時、エリザベスが口を滑らせ、森川店長に翔太郎の思い出アイスクリームの復元を手伝ってもらっていることを喋ってしまう。それを聞き逃さなかったフィリップが説明を求める。あせるイレギュラーズだったが、「…いいじゃないか、思い出のアイス。完成させて翔太郎を驚かせてやるといい。きっと喜ぶ。その日のためにも…早く事件を解決しよう!」とフィリップ。表情が明るくなるイレギュラーズの面々。
    「白銀」を出るウォッチャマン、サンタちゃん、クイーン、エリザベス、そしてフィリップと亜樹子。二人になり、亜樹子はフィリップに「…意外だったな。フィリップくん、翔太郎くんの事、励ますのに乗り気じゃなかったのに」と話しかける。「それはそういう事では……」とフィリップが返した時、フィリップの電話が鳴る。「少しは回復したかい。翔太郎」と電話に出るフィリップ。「ああ…かなり起きていられるようにはなった。身体は動かねぇが意識はある。何か起こったら連絡くれ。……半分力貸すぜ」とベッドの上でWドライバーを手に取る翔太郎。「助かる。これから容疑者周辺をあたる。敵の反撃に遭うかもしれないからね」とフィリップ。「……フィリップ。…その… すまねえ……」「すまない? 何がだい?」「おまえにはちゃんと謝っとかなきゃいけねぇって前から…」「ぼくは君に謝罪される心当たりが一つもない。別の機会にしてくれないか」と電話を切るフィリップ。スタッグフォンを畳むと何も言わずに歩いて行くフィリップを追いかけながら、フィリップの翔太郎に対する態度の真意が読めないことに悩む亜樹子。
    中華料理店「威風」に、伊倉店長に加え、「ネーロ」の大山店長、「天塔」の森川店長にも集まってもらう亜樹子。一同にフィリップを紹介する。フィリップは単刀直入に尋ねる「あなた方3人、もしくはお店の関係者に… ガイアメモリに関わっている人はいませんか?」と。一様に驚く3人の店長。
    ■次号予告に記載なし。

  7. SICファン より:

    スピリッツ 32号より。
    ■第133話『iよ もう一度 6 / 飢えの正体』
    中華「威風」の伊倉店長、イタリアン「ネーロ」の大山店長、ケーキ店「天塔(あまとう)」の森川店長を集め、ガイアメモリという言葉を出した上で、さらにドーパントの拠点がこの三店のいずれかである、と単刀直入に語るフィリップ。うろたえる三人の店長。フィリップは三人の店長にハングリー・ドーパントが暴れていた時間帯のアリバイを問う。大山店長は営業中だったので店内にいたと答える。伊倉店長も店内にいて、前日の忘れ物を取りに来た翔太郎に帽子を渡したと答える。現場で伊倉店長を目撃した者がいないこと、翔太郎も伊倉店長をすぐに見失ったと証言していることを問うフィリップ。それに対し伊倉店長は、近くにはいたと答える。森川店長は、餓死したパティシエの件で厨房で警察から事情聴取を受けた直後で、気が付いたらその場に倒れていたという。自分達に疑惑の目が向けられていることに一斉に反発し始める三人。
    帰り道のフィリップと亜樹子。フィリップは、自分が問い詰めた時に三人が三人とも自分以外の二人に疑いの目を向けていた態度から、全員犯人には思えないと語る。亜樹子は誰も動機が薄いとため息をつく。フィリップは犯人を煽って何らかの行動を起こさせるために三人を挑発したことを明かす。フィリップが人間的な駆け引きをすることに内心驚き感心する亜樹子。
    その後、「威風」の暗い厨房には、中華包丁を研ぐ伊倉店長の姿があった。
    日が落ち、イブクロ横丁にも街灯が灯る。張り込みをしているフィリップのもとに、自分もあんパンをかじりながらあんパンを差し入れに亜樹子が現れる。紙包みを抱き、辺りの様子を窺いながら店を出た伊倉店長をフィリップは見逃さなかった。
    鳴海探偵事務所のベッドに横たわったまま、スタッグフォンに送られたフィリップの調査報告を読んだ翔太郎は、どうにか上体を起こす。そこに買い物袋を抱えた鏡野空也が入ってくる。所長から鍵を借りており、翔太郎の様子を見に来たのだという。所長は病床から抜け出す男にトラウマがあるみたいだな、と空也。旦那がそうなんだよね、と翔太郎。暗く静かにゼリー飲料を吸う翔太郎に、まだ体が受け付けないのかと声をかける空也。翔太郎は、ときめの事を引きずっていること、その辛さがダダ漏れで相棒や街のみんなに心配かけていることが情けない、と告白する。「それでも……今でも忘れられねえ。…夢に出てきやがる。どうすりゃいいんだっ」と翔太郎。「忘れる必要なんかあるのかい? 惚れた女を忘れられないのは当たり前だ。今近くにいようがいまいがずっと惚れていればいいじゃないか。俺はそうしてるぜ。君が恋の背中を押してくれたからな」と空也。顔を上げる翔太郎。「それに左くん。みんが心配してくれるのは相手が君だからだ。人間、どうでもいい奴の心配なんかしない。俺だって仮面ライダーと怪物がただ戦っているだけならすぐ逃げるさ。冷たい川なんかに飛び込まんよ。あれが君の『変身』だから助けたんだ…!」「もっと自分の心に自信を持ちなって」と空也に励まされた翔太郎は「そうだな…… 向こうがどう思おうが、こっちが想ってる分には勝手だ!」と明るさを取り戻す。ふと「私はいつも飢えている。自分の事がわからないからずっと満たされる事がない」というときめの言葉を思い出した翔太郎は、「飢え」の正体に思い当たり真犯人に気付く。
    紙包みを抱いた「威風」の伊倉店長は、こっそりとケーキ店「天塔」に忍び込み、厨房でキョロキョロと何かを探していたの森川店長に迫る。伊倉店長に気付きたじろぐ森川店長。そこにフィリップが現れ伊倉店長の左腕をつかみ捻り上げる。落とした紙袋を亜樹子がすかさず取り上げる。その中には中華包丁が入っていた。「もし怪物が出た時の用心だ。私は森川くんに問いただしたかっただけなんだ! ずいぶん前に…彼がメモリの噂に興味を持っていた事を思い出して!」と告白する伊倉店長。フィリップ、亜樹子、伊倉店長が森川店長を見詰める。「違う! 僕は怪物じゃない!……はずだ! はずなんだ!」と叫ぶ森川店長。かつて入手はしたものの使用せずに隠し持っていたガイアメモリを探し始める森川店長。しかしその場所は空だった。「無いっ! どこに!」と青ざめる森川店長。「……ココダ」と何者かの声が聞こえる。森川店長は突然白目をむき立ったまま意識を失う。その時フィリップの腰にWドライバーが出現し、翔太郎がフィリップの心に話し掛ける「フィリップ、やばい事になってないか!」。「……なりつつある! 明らかに!」とフィリップ。森川店長は意識を失ったままふらふらと調理台に向かって歩いていく。「俺の馬鹿げた予想を言うぞ!」と翔太郎。意識のない森川店長が近付く先にあった液体と泡立て器が入ったボウルが、突然カタカタと揺れ始めたかと思うと、その動きはあっという間に激しくなり中の液体が噴火したかのように弾け、ボウルの中から飛び出した小さな物体が厨房の中を高速で飛び回る。フィリップは「ビンゴだ。君の直感の凄さを今改めて思い知っている!」と翔太郎に答える。「う、嘘やろ! 私、聞いてない!」と亜樹子。「H」の文字の中央の水平線が胃袋の絵柄となっているロゴ。「真犯人は…ガイアメモリ……そのものっ!?」と亜樹子。空中に停止したハングリーメモリは、ボウルの中にあった液体にまみれ、その液体がポタポタと垂れていた。
    ■次号予告に記載なし。

  8. SICファン より:

    スピリッツ 34号より。
    ■第134話『iよ もう一度 7 / イレギュラーケース』
    [カラー扉]CJX
    ケーキ店「天塔(あまとう)」の厨房。ボウルの液体の中から出現したハングリーメモリが液体をしたたらせながら浮遊している。意識を失ったままメモリに近づいていく森川店長。亜樹子が叫ぶ「いやいやいや! ありえへんやろ! ガイアメモリそのものが犯人とか。わかるか! そんなもん!」。「…ハングリー… 『飢え』のメモリに内包された地球の記憶が強烈すぎたという事だろう。自らの意志に近いものが生まれるほどに…」「翔太郎の予感した通りだ…!」とフィリップ。翔太郎がドライバーを通じてフィリップに語る。「私はいつも飢えている。自分の事がわからないからずっと満たされる事がない」というときめの言葉を思い出した時、今回のドーパントが『飢え』に振り回されて自分のした事を忘れてしまっている奴ではないかと思い当たったのだ、と。「強い邪念に進化した『飢え』の記憶が人間を引き寄せ、自分の身体として支配した。そして変身者はそれを覚えていなかった。かつてないイレギュラーケースだ。自覚のないままメモリに支配され、ドーパントとなって暴れていた犯人…」とフィリップ。フィリップが見詰める先には、白目を剥いたままの森川店長が両手を伸ばして空中のハングリーメモリを手にしていた。「……それは! 『天塔』店長……森川一清!」
    ハングリーメモリを手にした森川店長が白目を剥いたまま喋り始める「…… … オマモカ?」。フィリップにはその声に聞き覚えがあった。前回の戦闘時に聞いたハングリー・ドーパントの声だった。ガイアメモリ自体が森川店長の肉体を使って喋っていたことを確信するフィリップ。言葉を続ける森川店長/ハングリーメモリ「オマエモココノ住人カ? コノ人間ノヨウニ満タサレナイノカ? ダッタラ…… 俺ト同ジダ…!」。[ハングリー]ガイアメモリ起動音が鳴る。森川店長は、厨房着の上着を引き千切るようにめくり腹部を露出すると、何故かそこに浮かび上がっている生体コネクタにメモリを挿す。ハングリー・ドーパントに変貌する森川店長。
    ドーパントと目を合わすと命取りになる、と、亜樹子と中華「威風」の伊倉店長に避難を促すフィリップ。ドーパントの顔面のスリットの一つが開き眼球を露出しようとするが、その寸前にライブモードのファングメモリがドーパントの顔面を攻撃し、それを阻む。ドライバーを通じ翔太郎に変身を促すフィリップ。鳴海探偵事務所のベッドの上で一旦はジョーカーメモリを構えた翔太郎だったが、思い直し、変身を少し待ってくれるようにフィリップに頼む。ファングメモリの攻撃でどうにか時間を稼ぐが、ファングメモリがドーパントに払い飛ばされ、壁面に衝突して跳ね返りガイアメモリ形態となってフィリップの左手に収まる。「もういいぞ、相棒!」という翔太郎の合図で、ファングジョーカーへと変身するフィリップと翔太郎。
    仮面ライダーと対峙した途端に、顔面の八つのスリットのすべてを見開き、八個の不気味な目玉を零れ落ちそうなほどに露出するドーパント。目を合わさないように自分の目を覆うW。その隙に天井を破って外に飛び出すドーパント。Wもそれを追いイブクロ横丁のアーケードの屋根の上に着地すると、アームファングを起動する。その背後からドーパントが飛び掛かる。Wはアームファングで応戦するが、全身のどこに出現するかわからないドーパントの目を見ないようにしながら上半身と下半身が分離しているドーパントに致命的な攻撃をヒットさせるのは至難だった。さらにドーパントの持つ周囲の人間を飢えさせる能力により体内の栄養は奪われていく。翔太郎はフィリップにエクストリームメモリを呼ぶように言う。エクストリームメモリがデータ化して収納して運べるのは元データ人間のフィリップだけであり翔太郎を運べるわけではないのに何故かと問うフィリップに対し、援護させるだけでいい、もう少しだけ耐えろ、と返す翔太郎。翔太郎を信じて戦闘を続けるフィリップ。ショルダーファングの投擲は上半身と下半身の分離により避けられる。ドーパントはWに跳びかかり押し倒し目玉を剥いた顔面を近づけてくる。ドーパントの顔面を必死に手で隠すWだったが、体力は奪われておりもう限界であることをフィリップが訴える。その時、翔太郎が何かに気付き、Wの左足がドーパントを思い切り遠くまで蹴り飛ばす、「…いいや、よく耐えたぜ!」。ドーパントはひん曲がったパイプ型の手すりに腕が挟まり立ち上がれなくなる。どうにか体を起こすW。翔太郎は左手の人差指で、ある方向を指差しながら「おかげでデリバリーが間に合った!」と言う。そこには、鏡野空也が翔太郎を背負って階段を駆け上がってきていた。変身する直前に、これから気絶する自分をイブクロ横丁まで運んでくれるように空也に頼んでおいたのだと明かす翔太郎。「そういう事か。ありがとう空也さん!」とフィリップ/W。「わけないさ。力仕事は今の本業だ」と空也。「隠れててくれ。すぐに終わらせる」と翔太郎/W。Wはファングジョーカーの変身を解除する。
    手すりを引き千切ってドーパントが立ち上がった時、その目の前では眩い光を放ちCJXが出現していた。眩しさに顔面の目を手で覆うドーパント。「オマエモカ? オマエモ満タサレナイノカ?」とドーパント。「おお、まあな。だが弱り切った身体でも二つ合わせりゃそれなりに戦えるぜ」とW。「ナラバ……」「…俺ト同ジニナレ!」と、ドーパントはWに向かって突進し、八つの目を剥き出しにして睨みつける。しかしWは全く動じない。その様子に驚きうろたえるドーパント。「無駄だ。エクストリームになったその瞬間にすべての結論は得ていた。今の変身の輝きそのものが、すでにおまえの能力を半減させていたんだ」とW。Wはプリズムメモリを右腰のスロットに挿す。[プリズム・マキシマムドライブ!]Wの全身が強く虹色に発光する。「ウギャアアアアア!」と顔面を覆いながら悲鳴を上げるドーパント。ドーパントの、敵を餓死させる目から一斉に瞳が消失し、ドーパントは視力を失っていた。「おまえの目 自体が俺たちを見られなくなればいい。…シンプルな結論だろ?」とW。Wはエクストリームメモリを閉じて開く。[エクストリーム・マキシマムドライブ!]空高く舞い上がるW。ドーパントの下半身の上端に手足がくっついている、目のような穴が空いているだけのふとったミニチュア人形のような物が、慌ててキョロキョロと周囲を見渡す。自分の頭上高くにWを発見するドーパント。「ダブルエクストリーム!」竜巻に後押しされたWの両脚蹴りが、ドーパントの頭部の後ろにヒットする。ドーパントの上半身が潰れ、上半身と下半身に挟まれてミニチュア人形のような存在も圧し潰され、破壊はドーパントの下半身にまで及ぶ。爆発するドーパント。着地するW。排出されるハングリーメモリ。爆炎の後には森川店長が倒れている。森川店長に近づく翔太郎とフィリップ。
    仰向けに倒れたままの森川店長に意識が戻る。自分を見下ろす二人に話し掛ける森川店長「翔ちゃん…… フィリップくん…… 僕が…また怪物になったのかい…?」。頷く二人。「……許してくれ。5年前…横丁が存続の危機を迎えた時……一度だけメモリに手を出してしまったんだ… ハングリーの力で付近の人たちを空腹にして、呼び寄せた。その日から再びどっと横丁に人が押し寄せてくれるようになった…」「でも……二度と使うまいと隠していたこいつに… ……僕が取り憑かれていたなんて…」。翔太郎とフィリップは森川店長の頭部の右横を指差して「……さあ、」と声を発する。身体の動かせない森川店長だが、首を傾けてその方向を見る。そこには排出されたハングリーメモリが転がっていた。「おまえの罪を、数えろ」翔太郎とフィリップの声が揃う。ハングリーメモリは呻き声のような音を発しながらカタカタと震え始めると、しばらくしてパンと破裂した。「…あんたに罪がないわけじゃない。それは償うべきだと思う。いくら横丁を愛する心から起こした事といえども、だ」と翔太郎。翔太郎は続ける「俺に約束できるのはあんたの想いを受け止めてやる事だけだ。横丁を、この街を…… これからも愛し、守り続けるよ」「俺が… …いや俺たちが」。風都タワーを背景に立つ二人の姿を見詰め、少し笑みを浮かべる森川店長。その傍らには砕けたハングリーメモリの残骸があった。
    ■次号予告に記載なし。

  9. SICファン より:

    スピリッツ 38号より。i編の完結です。
    ■第135話『iよ もう一度 8 / 翔太郎へのサプライズ』
    イブクロ横丁のアーケードの屋根の上。仰向けに倒れたまま動けない、ケーキ店「天塔(あまとう)」の森川店長。腰を落としてその右手を取る翔太郎。その傍らに立つフィリップ。森川店長の頭の上の位置には砕けたハングリーメモリが転がっている。
    イブクロ横丁を見下ろすビルの屋上。「ヤレヤレ……手間が省けたよ、仮面ライダー」と、その様子を見ていた万灯雪侍。空間の異変に気付いた万灯は振り返り屋上の手すりにもたれかかって腕をかける、「………私の空間移動を感知して追ってきたか。こういう事になるから、なるべくこっちの街には来たくなかったのにな…」。何もない空間からブーツの先端部が出現する。ほどなく全身を現し屋上に降り立ったときめが万灯に問う「なんの手間が省けたって?」。万灯が答える「誰かさんがロードを始末しまくっているから困っているんだよ。そんな中、こっちでハングリーメモリが発動したらしいと聞いた… その影響でロードがこれ以上飢えたら統率すらできなくなる。破壊するつもりで来たら、もう片付けてくれていたというわけさ。省けた手間はそれだ」。「…あんたはいつもそうだよ、ユキ。神様気取りだ。そこが……気に入らない」と、ジョーカーメモリを構えるときめ。「…激突は避けられそうにない…か。いいだろう。戻って戦うかい?」と手すりから離れオーロラメモリを構える万灯。森川店長を抱きかかえる翔太郎を見下ろし、「……ああ、そのほうがいい。…私たちはこっちの迷惑だ」とときめ。万灯がビゼルを取り出し、裏風都への円形のゲートが開かれる。それぞれ自分のガイアメモリを起動させながらゲートの中へと進む万灯とときめ。「オーロラ!」「ジョーカー!」 ゲートはほどなく跡形もなく消える。
    翔太郎が事件の顛末を回想する─── 事件は森川一清店長の逮捕で幕を閉じた。5年前にイブクロ横丁が存続の危機を免れたのは、翔太郎が色々と手を尽くしたからだけではなく、不思議と客足が戻ってきて再び横丁が脚光を浴びたからでもあった。それは森川店長がハングリーの力を最小限で使用したことによるものだった。その後メモリを封印した森川店長だったが、先日の翔太郎の激励会で当時を思い起こし、ふとメモリのことを意識してしまった。それを待ち構えていたかのようにハングリーメモリの邪念が森川店長に呼びかけて支配した。久しぶりの変身時には目の前にいた自店のパティシエを飢餓に陥れ死に至らしめてしまった。変身解除後の森川店長はメモリを隠すとすべての記憶を失ってしまったらしい。「そもそも森川さんはこの5年間を後悔の中で生きてきたはずだ。必ず罪を償って立ち直ってくれると、俺は信じている。イブクロ横丁を愛する街の同志として…」
    SNACK & CAFE「白銀」。貸切で、翔太郎&フィリップ&亜樹子と風都イレギュラーズに加え鏡野空也が集まっている。ハングリー・ドーパントに餓死寸前に追い込まれていた翔太郎と青山 晶の快気祝いだった。鏡野空也はクイーン&エリザベス&リリィ白銀にモテモテである。宴もたけなわの頃、青山 唯が呼びこみ、晶がグラスを一つ載せた盆を持って現れる。イレギュラーズから声があがる。グラスに盛られていたのはアイスクリームだった。翔太郎はそれが師匠に奢ってもらっていたアイアンのアイスクリームであることに一目で気付いた。その趣旨と、再現のために森川店長にも協力してもらっていたこと、最終的には白銀のマスターや姉にも手伝ってもらったことを、晶が翔太郎に伝える。皆の注目の中、アイスクリームを口にする翔太郎。しかしその表情は一口ですぐに曇ってしまう。「ダメ……だった?」と尋ねる晶に対し、「いや…ダメではないかな… これはこれで… でもなんか…」と口ごもる翔太郎。「明らかに顔に出ているよ、翔太郎」とフィリップ、「嘘つけんやっちゃなー、探偵のくせに…」と亜樹子。「……悪りぃ。味がもう一つ単調なんだよ。多分アイアンのマスターはもっと複層的な味になるように工夫してたんだ」と正直な感想を述べる翔太郎。「…………そっか」と残念そうな晶のテーブルの上に付いた右手の上に自分の左手を重ねた翔太郎は「こっから先は一緒にやろうぜ、晶。俺も調べる。おまえやみんなが俺のために探してくれた味だ。現時点ではこれが最高、これ以上はねぇよ。心の底から嬉しいぜ!」と晶に語りかけながらグッとその手を握る。立ち上がり改めて全員に礼を言う翔太郎。
    時は流れ、ウォッチャマン&サンタちゃん、クイーン&エリザベス、青山姉弟が家路につく。アイスクリームは翔太郎が完食していた。フィリップと亜樹子に帰宅を促す翔太郎だったが、フィリップがそれを引き留める。フィリップは、思い出のアイスクリームに負けないサプライズプレゼントがもうすぐ届くはずだと語る。カランコロンと音がしてドアが開く。白銀に入って来たのは、元・G研の4人だった。現在は、仮面ライダーを支援する私設チーム「チーム・アクセル」として活動していることを説明する4人。驚く翔太郎だったが、亜樹子は既に知っていると言う。照井が、身動きできない自分の代わりにWの支援をしてくれるように頼んでいることも聞かされていたのだった。フィリップが、ベイエリアの弁財天源十郎の家で「bbb」の面々と会っていた理由を明かす。「bbb」メンバーの協力も得て、廃棄場で千葉秀夫が使用していた装置の破片をチーム・アクセルに徹底的に回収してもらい、分析を進めてもらっていたのだった。それによって発見されたのは、空間転移に干渉する存在「X粒子」だという。フィリップは、制作を頼んでいた物を後藤留美子から受け取る。「さあ、どうぞ、翔太郎。これがぼくからのプレゼントだ」とフィリップは、それを翔太郎の左手の腕時計に挿し込む。「ネオ・スパイダー」という機械音が聞こえ、翔太郎の左手の腕時計:スパイダーショックは銀色に色を変えてライブモードに変形すると翔太郎の左肩に飛び乗った。フィリップからのプレゼントは「ネオ・スパイダー」メモリ、それはスパイダーショックに、新機能・X粒子探知モードをインストールしたのだった。X粒子探知モード時、スパイダーショックは銀色となる。「奴らの動きを掴めれば確実に増えるはずだ。…ときめを奪還できるチャンスが!」とフィリップ。亜樹子が、ときめの話題のたびに機嫌が悪かったことをフィリップに問う。「あれは……君や翔太郎がやたら、『ときめの事を忘れる』とか言うんで癪に触っていただけさ」と答えるフィリップは、翔太郎に「なぜ忘れる必要がある? なぜ素直に『取り戻したい』と言わないんだ!?」と詰め寄る。「ぼくは取り戻したい。それ以外の選択肢は無い。相棒が愛した女性なのだから」とフィリップ。虚をつかれたかのように「…おまえ、最初からずっとそのつもりで…」と呟く翔太郎。我が意を得たりと翔太郎に目くばせする鏡野空也。「不必要なら返してくれ、ときめはぼくが探してあげるよ」とふざけるフィリップに、「嫌なこった、返すもんかよ。ありがたく頂戴するぜ、フィリップ!」と翔太郎。「そして……俺はあいつを忘れない」と言う翔太郎にうなづくフィリップ。二人の様子を笑みで見守る亜樹子、空也、チーム・アクセルの4人。
    専用車に乗り込むチーム・アクセルの4人を見送る翔太郎&フィリップ&亜樹子。「相棒や仲間たちの想いで俺の胸の風穴が塞がった気がした。そうさ…少々、振り出しに戻っただけだ。俺の気持ちが変わる事はない。惚れた魔女ならまた探し出せばいい! 俺は…… …探偵だ!」と新スパイダーショックを腕にした翔太郎。
    ■次号予告に記載なし。